2008年3月10日月曜日
1生命保険
一方、バブル期には、株式投資が活発化したことから変額保険が注目された。本来、変額保険はインフレなどにより長い期間の間に保険金が著しく目減りする定額保険の欠点を補うものとして開発された商品だが、相続対策などの名目で生命保険会社各社は銀行と組んで営業活動を行った。その仕組みは、次のとおりである。まず、加入する変額保険契約の保険料は、契約者が銀行からの融資を受けることによって賄う。当時は株価が毎年大幅に上昇していたため、その上昇率を前提とすれば、満期時には融資を返済してもなお余りある保険金が得られる、というプランであった。相続税法上の生命保険金の評価は、現金よりも低くなり、なおかつ保険料分が債務として相続財産から控除されるため、相続対策としては有効である、と顧客に説明されていた。