2008年3月10日月曜日
7モノライン
金融保証とCDSでは、支払い事由も異なるが、実際の支払い方法も異なる。金融保証がスケジュール通りの支払いのみを行うのに対し、CDSの場合は3CEが起きた場合、現物決済(Physical Delivery)あるいは資金による相殺決済(Cash Settlement)が行われる場合がある。これは、支払い事由が起きた時点で、プロテクションの売り手は元本の相当部分の流動性を用意、保有していることが必要であることを意味する。この時にプロテクションの売り手の信用力が買い手より相対的に弱い場合、プロテクションの買い手は売り手に対するカウンターパーティー・エクスポージャーをマネージするために、ISDAの雛形に基づくCSA(Credit Support Annex)を結ぶ場合がある。参照銘柄の信用状態が悪化したと市場が判断し、CDS価格が上昇する場合、CSAを通してプロテクションの買い手は売り手に対し担保を要求することになる。プロテクションの売り手は当該CDS取引による時価評価損が担保の提供を通して直ちに流動性への必要性へと波及する。この点、モノライン会社は実際の支払い不履行が起きない限りは流動性の提供は必要ない。