2008年3月29日土曜日

株式49

なお、かつては株式分割で取得単価の縮小により需要が増加しても、新株(株券)が市場に流通するまでに一定期間あったために、株価が上昇する場合があった。しかし、証券取引所からの通達で1:5以上の株式分割を抑止する方針が出されたことや、[[証券保管振替制度証券保管振替機構]]([[証券保管振替制度ほふり]])に預託された株券については[[2006年]][[1月4日]]以降株式分割割当日の翌日を効力発生日とする等の制度改正によって株式分割による需給の空白期間が無くなったことから、需給を原因とする大幅な株価変動は少なくなった。
== 株式分割をめぐる現代的問題 ==従来は、[[額面株式株式の額面額]](券面額、株金額)や[[株券]]の発行コストが株式分割を法的にあるいは事実上限定する役割を果たしていたが(商法旧第166条2項)、額面株式が廃止され([[2001年]]商法改正)、また、株券を必要としない制度([[社債等の振替に関する法律]]、なお会社法においては株券不発行が原則となっている)が整備されたことで、特に[[上場会社]]についてはほぼ無限定に株式分割をすることが可能になり、大幅な株式分割によって株価上昇をさせる手法が問題になった。特に[[2006年]]には[[ライブドア]]の[[ライブドア事件粉飾決算事件]]に絡んで、同社の度重なる株式分割がクローズアップされ「現代の[[錬金術]]」と揶揄された。詳細は[[株式分割バブル]]を参照。

株式48

よって、日本法においては、[[株式併合]]([[b:会社法第180条180条2項]])の場合と異なり、株主総会の特別決議([[b:会社法第309条309条2項]])までは法律上要求されず、[[取締役会設置会社]]においては、[[株主総会]]の通常決議すら不要で、[[取締役会]]の決議のみで分割が可能である([[b:会社法第183条183条2項]])。
実際の例では、1:1.1(かつての言い方でいう1割無償)などの形が多い。分割によって発生した[[単元株単元株式数]]未満の株式については、会社への買取を請求することができる([[株式買取請求権]]、[[b:会社法第192条192条1項]])。
== 背景 ==株式分割は、単元単価が高値をつけており市場[[流動性 (経済学)流動性]]が低下しているなどの状況がある場合、株式分割によって単元あたりの単価を縮小させることで市場流動性を向上させるために行われることが多い。
株式分割によって取得単価の縮小と全体株数の増加によって、市場流動性が高まり株式が取得しやすくなる等の効果がある。

株式47

以前は'''株式配当'''や'''無償交付'''、'''無償増資'''とも呼ばれており、[[商法]]上も株式分割と株式配当、無償交付は個別に規定が存在していたが、[[1991年]]の商法改正で株式分割に統一された。これは、「株主の所有する株式が分割により増加すること」と「株主に対し持株数に応じて一定割合の株式を無償に交付すること」が新株を発行するという点においては法的には同一の事象であるからと説明される。なお、[[2005年]]に成立、公布された[[会社法新会社法]]では、[[b:会社法第185条185条]]で新たに'''[[株式無償割当て]]'''という概念が登場している。これは、[[種類株式]]が制度化されたのに伴い、異種の株式の交付を、従来の株式分割の概念でとらえることが困難になったためである。
== 概要 ==従来の株数を1とした比率で表され、例えば「1:3」の場合、1株に対して2株が無償で、[[基準日]]([[b:会社法第183条183条2項1号]])に[[株主名簿]]に記載された[[株主]]に対し配られることになる。持株数は3倍になるが、(理論的には)[[株価]]は1/3になるので、[[資産]]の総額([[時価総額]])自体は変わらず、またすべての株主の持株数が均等に増加するので持分比率の変動もない。

株式46

平成13年商法改正前は端株券を発行してもらい流通に付すことで投下資本を回収することもできたが、同改正は端株券の発行を禁止し、[[名義書換]]に関する制度も無くなったことから、端株券を譲渡することは出来なくなった。その代わり、会社に対して'''端株買取請求権'''を有する(商法220条ノ6)。
端株主が新たに株式の交付を受け、従来から有する端株と併せて一株となるときは、株主となる(商法220条ノ5第1項)。もっとも、端株券が廃止されたことから、端株の流通により株主となることは無い。[[株主総会]]において[[議決権]]を行使すべき者を定める[[基準日]]を会社が定めたときは、基準日後に株主となった者はその株主総会では議決権を有しない(同条2項)。
会社が定款によって、端株主がその端株と併せて一株となるべき端株を売渡すべき旨を会社に請求することが出来ることを定めたときは、端株主は会社に対して'''端株の買増請求'''が出来る(商法220条ノ7)。

株式45

=== 端株の発生 ===端株が発生するのは、株式の発行、[[株式併合]]または[[株式分割]]により一株の100分の1の整数倍に当たる端数が生じたときである(商法220条ノ2第1項)。ただし、定款により100分の1とは異なる割合を定めることも出来る(同条3項前段)。端数について端株原簿に記載しない旨を定款で定めれば、端株は発生しない(同条3項後段)。
=== 端株原簿 ===会社は、端株となるべき端数が生じたときは端株原簿に記載または記録しなければならない(同条1項)。端株原簿とは、端株主に関する事項を明らかにするために作成される会社の法定帳簿である。端株原簿には、端株主の[[氏名]]及び[[住所]]、端株主の有する端株の種類及び一株に対する割合、端株取得の年月日、その他の事項を記載する。
=== 端株主 ===端株主には、株主の権利のうち[[共益権]](会社の管理運営に参加する権利)は認められない。[[自益権]](会社から経済的利益を受ける権利)は一定のものが認められる(商法220条ノ3)。株式の消却・併合・分割又は[[株式交換]]・[[株式移転]]・[[会社分割]]・[[企業合併合併]]により株式又は金銭を受ける権利、[[残余財産分配請求権]]は全ての端株主に認められる。これに対し、[[利益配当請求権]]([[中間配当]]請求権)、[[利息]]請求権、株式の転換請求権、新株・[[新株予約権]]・[[新株予約権付社債]]の引受権は原則として認められるが、会社が定款で権利を与えない旨定めることができる。

株式44

[[1981年]](昭和56年)商法改正では、株式の[[出資]]単位を5万円に引き上げた([[単位株]])。同改正前は出資単位が500円であったため、一株に満たない端数の価値は微々たるものであったが、同改正により端数の[[経済]]的価値も無視できないものとなった。そこで同改正では、同時に'''端株制度'''についても規定し、一株に満たない端数で、一株の100分の1の[[整数]]倍に当たるものに限り、端株として一定の保護を与えることにした。つまり、端株制度は出資単位引き上げによる[[株主]]管理コストの軽減と端株主の保護の調整のための制度である。
[[2001年]](平成13年)6月の商法改正では、株式の出資単位を[[法 (法学)法]]が強制することをやめたため([[単元株]])、端株制度を採用するかどうか、採用する場合に端株として認める端数をどう定めるかは[[会社]]ごとの判断([[定款]]自治)に委ねられることになった。
さらに、[[2005年]](平成17年)の商法改正では、端株制度を'''廃止'''することにした。これは、制度趣旨が[[単元株]]制度と共通していることから、現実に多く使われている単元株制度に一本化したものである。従って、[[会社法]]に端株についての規定は存在しない。もっとも、会社法234条、235条は一株に満たない端数の処理について規定しているが、制度としての端株は無い。ただし、冒頭でも述べたように、会社法施行前から存在する端株については、会社法施行後においても存在が許され、その処理についてはかつての商法旧会社編の規定が適用されることになる(会社法整備法86条1項)。

株式41

=== 単元株数の決め方 ===単元株式制度を導入するときは、その旨を[[定款]]で明示し([[b:会社法第188条188条1項]])、[[取締役]]は株主総会において理由を説明しなければならない([[b:会社法第190条190条]])。単元株式数については下限は制度趣旨から一株であり、上限については、会社の発行済み株式数が20万株未満の場合は発行済み株式数を200で割った数を一単元の上限とし、20万株以上の場合は一律1000株を一単元の上限とする。一度定めた単元株数を減らす場合には取締役会決議で柔軟に変更できるが、単元株数を増加させる変更は議決権行使可能な株主が単元未満株主にされるおそれがあるため、会社法は[[株主総会決議事項]]としている。
ちなみに、200と言う数値は旧商法で定められていた[[最低資本金制度]](平成2年~平成18年)の最低資本額1000万円を、旧額面株式制度(明治32年~平成13年)で定められていた最低券面額5万円で除した数と言われる。ここで登場する1000万円や5万円については、いずれも法制度検討時に妥当と推測された額であり確たる根拠はなく、そのため200と言う数値にも意味がないと言えるが、両制度が並存した時期もあり会社法改正時にはこれら背景を考慮したと考えられる。